後進にレースに臨む姿勢を見せるために参戦を決意
News 2018.06.13
2度世界王者を獲得した坂田和人が全日本第5戦筑波J-GP3クラスへスポット参戦する準備を進めている。現在、MFJロードレースアカデミー、MuSASHiスカラシップトレーニングなど後進の育成に尽力している坂田だが、その生徒に後輩ライダーの息子がいた。その息子を始めとした後進ライダーにレースを戦う姿勢を見せるために参戦することを決意。Mistresa RT HARC-PRO.として全日本ST600クラス、MFJ CUP JP250を戦っている昭和電機株式会社のバックアップを受け、今回のスポット参戦が実現した。
「昭和電機様を始め、多くの皆様のご支援・ご協力を頂き感謝しております。世界グランプリを退いて19年。正直、どこまでできるのか、やってみないと分かりません。現実はそう甘くないことは十分に分かっています。 本格的始動は、3月30日の筑波サーキットとなりました。その後も練習を重ねていますが、全てがゼロからのスタートのため、限られた一般スポーツ走行の中で納得のいくマシンに仕上がっておりません。 私がレースを行なっていた2ストロークと、現在の4ストロークは、全ての特性が大きく異なります。レースに出場するからには、自分自身が納得できる状態に仕上げたいのですが、 いまだに手探り状態です。限られた時間で、マシンを仕上げることができなければレースへの出場は断念します。非常に厳しい状況ですが、頂いたチャンスを無駄にしないよう最後まで全力で臨みます」と坂田。
このプロジェクトをバックアップする昭和電機・柏木社長も「次世代を担う子供たちに世界を制した坂田さんのリアルな戦う姿を見せることは本当にすばらしいことです。そうした意義あることが具現化できるよう、企業として社会のお役に立てることをしていくのは、常々に大事なことと考えています。 これを機会にぜひ往年のレースファンの方にもサーキットへ足を運んでいただき、モータースポーツのすばらしさ、奥深さに接していただければと思います。納得いくレベルに到達できなければ、レース出場はキャンセルするという坂田さんの意思も尊重します。坂田さんが、どう戦うか私自身もとても楽しみです」とコメント。
坂田の全日本参戦は、2005年第3戦筑波以来、実に13年振り。このときは、59秒697をマークしポールポジションを獲得。レースでは、スタート直後の1コーナーで転倒。一度ピットに入りマシンを修復し、コースに戻るとファステストラップを出す速さを見せた。
今回も納得できるマシンに仕上げることができなければ、レースは出ないと言うが、ファンとしては期待せずにはいられない。チーム名は、Mistresa・MuSASHi sc./TC、メカニックは、グランプリ時代を支えた弟の明彦さんが担当する。第5戦筑波ラウンドは、土曜と日曜にそれぞれ決勝レースが行われるだけに注目が集まるところだ!