日本のホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、そしてイタリアのドゥカティ、アプリリア、ドイツのBMWといった国内外の最新リッタースーパースポーツ市販バイクをベースにレース向けに仕上げられたマシンで争われています。いずれも200馬力以上を発揮する各メーカーの威信をかけたハイパフォーマンスマシンとなっており、そのモンスターを世界レベルのテクニックを持つトップライダーたちがライディングし、腕を競っています。
参戦車両は日本最大のロードレースとして有名な鈴鹿8時間耐久ロードレースに直結しているクラスでもあります。ここ数年は、2レース制も増え、土曜日に公式予選とレース1を観戦できるラウンドもあります。2022年は最終戦鈴鹿MFJ-GPでは3レース制が予定されており、シリーズ7大会で全13レースが開催され、シリーズチャンピオンが争われます。
排気量は4ストローク4気筒が600ccから1000cc、3気筒が750ccから1000cc、2気筒が850ccから1200ccとなっており、それぞれ最低重量が3、4気筒は165kg、2気筒は170kgと最低重量が決められています。また、コストの高騰を抑えるために上位6位に入賞した車両に対して部品の買取制度、タイヤについては予選中の使用本数が設けられ、2セット(前後タイヤ各2本)のみ使用が認められる。なお2017年からホイールサイズはフロント、リアともに17インチに限定されています。
国内最速のライダーたちが大排気量マシンを駆り、繰り広げる迫力のバトルは必見! 国内最高峰の迫力がここにあります。
2020年にスタートしたST1000クラスは、Honda CBR1000RR-R、YAMAHA YZF-R1、SUZUKI GSX-R1000R、KAWASAKI ZX-10RR、BMW S1000RR、Aprilia RSV4などJSB1000クラス同様に国内外の最新リッタースーパースポーツによって争われます。違うのは、より改造範囲が狭く、市販状態に近い(ストック仕様)ということ。とはいえベース車両は200馬力近いハイパワーを持っているマシン。JSB1000より重く、ブレーキも市販車のキャリパーを使わねばならず、ライダーの技量が問われるところです。
また、タイヤがダンロップレーシングスリックの指定ワンメイクタイヤで行われます。指定タイヤはドライタイヤが2スペック登録され、どれを使うかは自由。これもレースの行方を左右する重要なポイント。アジアロードレース選手権(ARRC)のASB1000クラスと通じる仕様となっている他、鈴鹿8耐(EWC世界耐久選手権)のSST(スーパーストック)クラスとも直結しています。
ST1000もコスト高騰を防ぎ、イコールコンディションで行うため、予選、決勝(朝のウォームアップラン除く)を通じてタイヤの使用本数が設けられ、2セット(前後タイヤ各2本)のみ使用可、パーツの買取規制も設けられています。
2001年に創設、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキのスーパースポーツモデルで争われています。ベースマシンのハイスペック化に伴い、足回りとエンジン、フレームなどのバランスを取るために、2007年シーズンよりフロント・リアともサスペンションの変更が可能となりました。これにより、セッティングの範囲が広くなり、よりライダーの技量がモノを言うクラスとなっています。
2015年からはタイヤがブリヂストンのワンメイク制となり、予選中のタイヤ使用本数が設けられ、1セット(前後タイヤ各1本)のみ使用することが認められています。ST600クラスを含め、JSB1000、ST1000などのタイヤ使用本数制限では、ウェット宣言時の制限は行ないません。また、タイヤ規制に違反した場合、 決勝中においては「失格」という厳しい罰則が科せられます。
このクラスもコストの高騰を抑えるために、車両と部品の買取制度があり、レースで6位以内に入った車両が、その対象となります。
排気量は、4気筒は401cc~600cc、2気筒は600cc~750ccまでとなっており、エンジンの改造範囲は狭く、タイヤも溝付きのスポーツタイヤを使っています。ストリートを走るマシンに一番近いクラスとも言えます。
4ストローク250cc単気筒のレーサー(レース専用車両)で争われているJ-GP3クラス。MotoGPロードレース世界選手権Moto3™クラスに直結しており、若手ライダーは、世界を目指し、ベテランライダーは、その壁になるべく同じ土俵で戦っています。トップスピードこそ大排気量クラスのマシンには劣りますが、コーナリングスピードでは、それをしのぐ速さを見せるのが特徴。高いコーナリングスピードをいかに維持しながらコーナーを曲がるかという、小排気量ならではのテクニックが要求されるクラスです。常に混戦模様で、周回ごとにポジションを入れ替わることも多く、見応えのあるレースが繰り広げられています。
また、若手育成を目的として「J-GP3チャレンジクラス」も設定されています(13歳〜19歳以下等参加資格あり)。さらに、大会ごとに「J-GP3特別参加枠」も設定され、参加条件をクリアしたジュニア・国内ライセンスのエントリーライダーが参加を認められます。マシンは、Hondaがレース専用に市販しているNSF250Rが大勢を占めていますが、近年、オーストリアのKTMも速さを見せています。