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R2-1第4戦 鈴鹿サーキット決勝レポート正式版

1999.05.30(日)


吉川和多留(ヤマハ)去年の開幕戦以来の優勝 
松戸直樹4連勝達成

 8時間耐久レースの前哨戦、スーパーバイク鈴鹿200kmレースが、日差しは強いもののさわやかな三重県鈴鹿サーキットで行なわれた。メインレースであるスーパーバイククラスは、吉川和多留(ヤマハ)が昨年の開幕戦以来の優勝を飾り、ヤマハニューマシン、YZF-R7に初優勝をもたらした。GP250では、ポールポジションを獲得した松戸直樹(ヤマハ)が4連勝を達成し、今シーズンの好調さを見せつけた。またGP125では、第2戦で全日本初優勝を果たした菅谷慎一(ホンダ)が、混戦を制して2勝目を挙げた。


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気付いてみればシーズン開幕4連勝。宇川徹が大治郎が、そして中野真矢が挑んで達成できなかったクラス史上初の開幕5連勝達成までに最も近い男「松戸直樹」。GP250決勝グリッドで。

SBレース終了後のプレスインタビュー。この日の主役はこの二人。SB元年に初代チャンピオンとなり、その後WSBなどの経験を積み、全日本に戻ったベテラン吉川和多留。頭脳的で冷静な作戦でヤマハのニューマシンYZF-R7に全日本初優勝をプレゼントした。片やSBクラスルーキーの玉田誠。ファクトリーマシンを駆るとはいえ、サテライトチームからのエントリーでポール&2位表彰台獲得は文句無し。SBクラスを面白くするニュージェネレーションだ。


“スプライト”鈴鹿8耐記念パーティ

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5月29日(土)、全日本ロードの決勝レース前日夜に行なわれた「“スプライト”鈴鹿8耐記念パーティ」。主役の参戦ライダー多数の他、総合プロデューサーの石井竜也氏も参加しての一大パーティとなった。

5月30日(日)、ピットウォーク時に初公開された、石井竜也氏が手掛けた鈴鹿8耐のコンセプトバイク。すべてシルバーメタリックのボディは、青い空を映し出すためのもの。もちろん、自走する。鈴鹿8耐時にはどんなパフォーマンスを見せてくれるのか!?

5月30日(日)、ピットウォーク時には石井竜也氏も登場。コンセプトバイクの前でフォトセッションが行なわれた。また、1999“スプライト”鈴鹿8時間耐久ロードレースのイメージソング「朝日につづく道」も発表された。

“スプライト”鈴鹿8耐イメージソング情報!!

●SUPERBIKE/S-NK

「吉川和多留(ヤマハ)が今季初優勝 8耐へ向けて手応えをつかむ」

 このレースが鈴鹿8時間耐久レースの前哨戦と言われるのは、通常のスプリントレースより長い距離を走るために、レース途中で1回、給油のためのピットストップがあるからだ。ライダーの頑張りだけでなく、メカニックのピットワークやピットインのタイミングが勝敗に大きく影響してくる。

 強い日差しの中、午後2時30分にスーパーバイク200kmレースがスタートした。ポールポジションからスタートしたのは、今年からスーパーバイククラスにスイッチした22歳のルーキー、玉田誠(ホンダ)。しかし玉田はスタートで出遅れ、10番手あたりで1コーナーに進入した。ホールショットは、予選4番手の梁 明(スズキ)だ。予選5番手の井筒仁康(カワサキ)、8番手の芹沢太麻樹(カワサキ)、3番手の北川圭一(スズキ)らが好スタートを見せた。オープニングラップ、このトップグループに異変が起こった。デグナーカーブで芹沢と北川が接触、芹沢は転倒しリタイア、北川はコースアウトして大きく順位を落としてしまう。このアクシデントによりトップグループは昨年のチャンピオン、伊藤真一(ホンダ)を先頭に梁、井筒、スタートの遅れを挽回した玉田、予選6番手スタートの吉川和多留(ヤマハ)ら8台によって形勢される。そのトップグループをリードする伊藤と玉田は激しく順位を入れ換えるバトルを繰り返しながら、集団を引っ張っていった。

 6周目、梁が突然のスローダウン、駆動系のトラブルでレースから脱落した。このころから玉田と伊藤が集団を抜け出し、2台がマッチレースを展開する。その二人に、後方集団から吉川が順位を上げ、さらに井筒が4位に付け、やや遅れて北川、武石伸也(カワサキ)、辻村猛(ヤマハ)が集団となって5位争いを展開している。11周目あたりから玉田が伊藤を離し始め、2位争いが伊藤、井筒、吉川の3台で展開された。しかし15周目、井筒がシケインで転倒、リタイアしてしまう。

16周目、7位を走行していた武田雄一(ホンダ)がトップグループで最初のピットイン。タイヤ交換と給油を行なった。続いて17周目、2位の伊藤がピットイン、翌18周目に玉田がピットインし、コースアウトから追い上げ4位を走行していた北川が19周目にピットインした。吉川だけがそのまま走り続け、見かけ上は独走のトップ走行となった。その吉川がピットインしたのは21周目だった。給油とタイヤ交換を行なった吉川は、玉田、伊藤の3秒前でコースに復帰することができた。これで順位は吉川、玉田、伊藤、北川の順。やや離れて辻村、武石と続く。吉川は周回ごと玉田と伊藤を引き離し始め、23周目には5秒以上のマージンを稼いだ。玉田と伊藤の2位争いは激しく、毎周のように順位を入れ換えていた。しかしレース終盤の31周目、シケインで玉田をかわした伊藤だったが、続く32周目の2コーナーで無念の転倒、戦線から脱落した。

 吉川は昨年の開幕戦以来の優勝。ニューマシン、YZF-R7を国内での初めて優勝に導いた。玉田は大金星の2位表彰台。3 位にはコースアウトから追い上げた北川が入った。

ライダーコメント:

  • 優勝 吉川和多留:このマシンでは鈴鹿は初めてだったが、事前テストから2分9秒4が出ていたので、好調だった。しかし、公式練習で欲を出してマシンをいじり、悪い方向にマシンセッティングを変えてしまった。予選もうまくいかず、決勝は最初のセッティングに戻して走った。作戦は特に立てていなかったが、ピットインのタイミングは自分で決めることにしていた。スタッフが頑張ってくれたおかげ。ロングディスタンスのレースに不安はない。8耐へ向けて手応えをつかんだ。
  • 2位 玉田誠:ワークスマシンなので、自分はワークスライダーだと同じだと思っている。15台もワークスマシンがあるので、上位に入賞するのはとても難しいが、頑張れば行けると思っている。調子にのらないようにといつも思っているが、とにかく勝ちたい。
  • 3位 北川圭一: 太麻樹(芹沢)と接触してコースアウトしてしまった。かなり遅れたので必死に追い上げた。200kmもあるので、追い上げれば何とかなると思っていた。特に作戦は決めていなかったので、前に出られる時には出るし、逃げられる時には逃げようといつも思っている。

●GP250

「圧倒的な強さで松戸直樹(ヤマハ)が開幕4連勝」

 これまで3連勝の松戸直樹(ヤマハ)が2戦続けてポールポジションからスタートした。毎回スタートのうまくない松戸だが、今回はまずまず。1コーナーへ3番手で飛び込んだ。ホールショットは予選3番手からスタートしたホンダのエース加藤大治郎(ホンダ)。そのままオープニングラップを制した。やや離れてこれに、前戦筑波で3位表彰台を得たベテラン宮崎敦(ヤマハ)、開幕戦で3位に入った中冨伸一(ホンダ)、さらに前戦筑波で全日本初表彰台の2位入賞の嘉陽哲久(TSR)、大崎誠之(ヤマハ)らが続く。松戸vs加藤の今シーズン4回目のマッチレースかと思われたが、2周目のS字で早くも決着が付いてしまった。やや強引に加藤をパスした松戸は、2分9秒台のファステストラップをマークしながらそのまま加藤との差を広げていった。その差は6周目には3秒以上となり、松戸は17周のチェッカーの時には5秒の差を付けて開幕4連勝を達成した。加藤は松戸に追いつくことなく2位入賞。

 序盤に第2グループから抜け出した嘉陽は、単独の3位を走行。ファクトリーマシンに乗る加藤には届かないものの、後ろを走る宮崎との差を少しづずつ広げ、3位でチェッカー。前戦筑波に続く表彰台だ。ベテランの宮崎も大崎の追撃をかわし4位でゴールし、貴重な13ポイントを得た。

ライダーコメント:

  • 優勝 松戸直樹:テストから2分9秒台が出ていたので、同じタイムで走れればいいと思っていた。だが決勝レースでは思ったよりもタイムが遅く、もう少しペースアップしたかった。S字で大治郎を抜いた時はやや強引だったが、早く前に出たかったので行ってしまった。次のもてぎでは5連勝を意識しないで走ろうと思う。
  • 2位 加藤大治郎:テストではタイムが出ていたが、セッティングが難しく、決めるのに時間が掛かってしまった。テストと同じように走ると転倒しそうになったので、ペースが落ちてしまった。毎周、あと1秒ずつ速く走らなければだめだ。
  • 3位 嘉陽哲久: 加藤さんに接近した時にミスをしてしまい、そのあと攻められなかった。後半タイヤがもたなくなり、ペースを上げられなかった。一人で走っていても、トップの1、2秒落ちで走れるので、今後マシンのポテンシャルアップが課題だ。

●GP125

「菅谷慎一(ホンダ)が仲城英幸(ホンダ)との一騎打ちを制し、今季2勝目」

  3番手グリッドからのスタートで菅谷慎一(ホンダ)がホールショットを奪い先頭に立つが、予選で圧倒的なタイムを出しポールポジションを獲得した仲城英幸(ホンダ)がオープニングラップのデグナーカーブ進入で早くも菅谷をかわしトップに立つ。このまま引き離しにかかると思われたが、菅谷も仲城をピタリとマーク。これに代役で参戦している、昨年まで世界グランプリを走っていた加藤義昌(ヤマハ)を先頭にした、藤岡祐三(ホンダ)、菊池寛幸(ホンダ)、青山博一(ホンダ)が追いつき、6台でのトップ争いとなるが、仲城と菅谷は2分17秒台のハイペースで、3位以下を引き離していく。

 トップ争いはテールtoノーズのままレース終盤に突入。仲城がトップのまま迎えた12周目。シケインを立ち上がった仲城はリアをすべらせ、痛恨の転倒を喫してしまう。これで単独トップとなった菅谷は、そのままチェッカーを受け、第2戦SUGOに続き2勝目を挙げポイントトップを走る。一方、2位争いは最終ラップに、9台の大集団となる。この激しいバトルを予選2番手の岡田純一(ホンダ)が制し、2位に入賞した。3位には加藤が入り、GPライダーの実力の見せつけた。

ライダーコメント:

  • 優勝 菅谷慎一:予選の結果を見ると、だれもが仲城さんが独走してしまうと思っていたけど、監督の藤原さんやメカニックの人も、あきらめていなかった。確かに仲城さんのマシンは速かったけど、16秒台くらいならついていけると思ったし、勝てる可能性が少しでもある限り、あきらめないで走ろうと思った。まだ4戦が終わっただけなので、これからも気を引き締めていきたい。
  • 2位 岡田純一:またスタートで出遅れてしまった。レース序盤はペースが上がらなくて15位くらいを走っていた。サードグループの前に出て、2位集団が見えたから追いつければいいな、と思って追いかけた。最終ラップのシケインで加藤さんのインに入って前でゴールした。2位という結果はチェッカー後にS字を回ったところでコントロールタワーを見て気づいた。もう少しエンジンを何とかしたい。
  • 3位 加藤義昌: 今回は横江竜司くんの代役で出ることになり、レースを楽しめればと出場した。世界グランプリを引退して、今はレーシングサービスの仕事をしているが、見てるのと、実際に一緒に走っているのとでは、全然違うことが分かったので、この経験を仕事に生かしていきたい。それにしても、最後は2位でゴールする予定だったのだが……。

※入場者数:5月29日(土)9,800人/5月30日(日)28,000人

(参考)
各クラスラップチャート(データ提供:鈴鹿サーキット)


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R2-1クィーンたちはサーキットのあちこちに出没します。気軽に声をかけてください。

鈴鹿トークライブ風景。決勝レース終了後なので、レースのエピソードなど普段聞けない話も聞けると好評。R2-1全日本ロードレース選手権シリーズ各戦で開催していますので、一度R2-1ステージへ足を運んでみてください。


大迫力の“激感シート”

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鈴鹿サーキットの“激感シート”は、第2コーナーのイン側に設定されました。この写真は、SBクラス決勝中、玉田誠VS伊藤真一のシーンですが、激感ぶりが分かって頂けると思います。

R2-1激感シート情報はこちら


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