4番手グリッドからスタートした渡辺篤がホールショットを奪い、辻村猛、秋吉耕佑、中冨伸一、亀谷長純、山口辰也の順で2コーナーを立ち上がっていく。スタート直後の混戦の中、3コーナーでは、辻村は秋吉、中冨、亀谷にかわされ5番手にポジションを落とすが、130RからS字コーナーの進入で亀谷をかわして4番手に上がる。しかし辻村は、続くV字コーナーの立ち上がりでハイサイド転倒。早くも戦線を離脱してしまう。ポールポジションの伊藤真一は、スタートで大きく出遅れオープニングラップは8番手でホームストレートに戻ってくる。ここで予選8番手グリッドからスタートした松戸直樹がクラッチトラブルのためにピットイン、そのままリタイアとなった。
2周目に入り、渡辺、秋吉のヨシムラ勢が1-2を占め、中冨、やや間隔を空けて亀谷、山口、森脇尚護、出口修と続く。山口は、亀谷をかわして4番手に浮上。3周目には、V字コーナーで秋吉が渡辺をかわしてトップに立つとコンスタントに1分51秒台をマークしながらジリジリと2番手以下を引き離していく。伊藤は、3周目に6番手に、4周目に5番手に浮上すると、このレースのファステストラップをマークして2位争いの集団に追いついてくる。渡辺、中冨、山口、伊藤の4台が2位争いの集団を形成、8周目には中冨がV字コーナーで渡辺を、90度コーナーでは、伊藤が山口をかわし、それぞれポジションを上げる。伊藤は、続く9周目のS字コーナー進入で渡辺をかわすと、11周目に中冨をかわして、ついに2番手に浮上する。山口もチームメイトの伊藤に続き、9周目のV字コーナーで渡辺を、13周目に中冨をかわして3番手に上がる。伊藤は、すぐに秋吉との差を詰めていくかと思われたが、秋吉も意地を見せ、その差をキープしトップの座を死守する。
残り3周となったとろで秋吉と伊藤の差は3秒を切り、残り2周で約2秒、ラストラップには、1秒3とみるみるうちに伊藤が秋吉の背後に迫っていく。しかし、伊藤の追撃も秋吉を射程に捕らえるに至らず、秋吉がそのままトップでチェッカーを受け全日本初優勝を飾った。伊藤は2位でゴールし、山口が3位に続いた。4位に中冨、5位にラストラップに渡辺をかわした柳川明が入った。
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