中上貴晶が前戦の岡山をケガで欠場したため、関口太郎がポイントリーダーとして迎えた最終戦。2人の差は8ポイントで、中上が優勝しても関口が4位以内に入ればチャンピオンとなる状況だった。しかしダブルエントリーしているST600クラスの決勝で関口が他車と接触転倒し、左肩を脱臼してしまう。厳しい状況で決勝を迎えることになってしまっていた。
J-GP2クラスの決勝も雨の影響で15周から11周に変更された。
ポールポジションの中上がスタートを決め、トップで1コーナーへ進入するがブレーキングが遅れはらんでしまうが、S字コーナーの進入までにポジションを挽回し、再びトップに立つ。予選4番手グリッドからスタートした山口辰也もS字コーナーの2つ目で2番手に浮上すると、オープニングラップから中上と山口が後続を引き離していく。3番手に高橋英倫がつけ、小山知良、野田弘樹がセカンドグループを形成し、関口は生形秀之、稲垣誠にもかわされ8番手までポジションを落としていた。続く2周目、ダンロップコーナー入り口で小山を抜いた野田は200Rで高橋もかわし3番手に浮上する。小山はペースを上げられず5番手にポジションを落としてしまう。
トップを争う中上と山口は、3周目には後続に8秒あまりの差をつけていた。3番手争いは野田と高橋。少し離れて小山が続き、この時点で関口が6番手までポジションを上げていた。ファステストラップを更新しながら周回を重ねる中上。山口はメインストレートで何度も中上に並びかけ1コーナーでインを伺いプレッシャーをかけていたが、なかなか前に出ることができない。
3番手の野田と4番手の高橋は徐々に差が開いていき、5周目にはそれぞれ独走状態に。関口は5番手に浮上し、あとひとつポジションを上げればタイトルを手中に収めるところまできていたが、4秒以上前を走る高橋とのラップタイムはほとんど変わらなかった。
レース終盤になると中上は徐々にペースを上げ、8周目に2分22秒522のベストラップをマーク。山口を引き離しにかかる。その後方では、僅かに高橋との差を詰めてきていた関口が9周目のスプーンカーブでまさかの転倒。この時点で、中上のチャンピオンが決定した。中上は山口に3秒以上の差をつけ優勝、今シーズン5勝目を挙げた。山口が2位でゴールし、野田が3位に入り今季初の表彰台をゲットした。高橋が単独で4位。レース後半に5位争いを展開していた3台は稲垣、小山、星野知也の順に僅差でゴール。野左根航汰が8位。5周目のデグナーカーブで転倒を喫していた生形は、その後レースに復帰し9位でゴールしている。
年間ランキングでは関口が2位。15ポイントを獲得した生形が3位を死守。4位の山口との差は僅か1ポイントだった。 |