1975年のオープン以来、毎年、全日本ロードレース選手権が開催されているスポーツランドSUGO。アップダウンがあり、日本でも有数なテクニカルサーキットだ。梅雨明けから厳しい暑さに見舞われている日本列島だが、スポーツランドSUGOも例外ではなかった。レースウイークに入っても日中の気温は30度以上、路面温度も50度以上まで上がり、例年に比べても、かなりの暑さ。それでも、8月上旬にあった事前テストに比べれば暑くないと、ライダーやメカニックは口をそろえていた。気温は35度以上、路面温度は60度以上という酷暑だったと言う。
JSB1000クラスの公式予選は、60分1セッションで行われ、マシンセッティングを詰めながら、最後に予選タイヤでのタイムアタックとなった。
ポールポジションを獲得したのは、前日から好調な走りを見せていた酒井大作が、予選でもアグレッシブなライディングを見せ、1分28秒272というニューコースレコードを樹立。JSB1000クラスで初めてポールポジションとなった。
「想定タイムより遅かったけれど運よくポールポジションを獲ることができた。予選タイヤで4周目に出したタイムだからね」と大作。予選終了間際になると、アタックに入るライダーが集中することもあり、大作は、やや早いタイミングで予選タイヤに履き替え、タイムアタックに入っていた。しかし、アタック中にシケインで転倒があり赤旗中断となってしまう。予選タイヤは初期のグリップはいいが、そのライフも短い。残り5分で再開されるが、本数制限があるため、タイヤ交換はできず、そのままコースイン。グリップの落ちた状態で、驚異的なタイムをマークしたのだ。
「コースインした瞬間からスライドしていたし、2コーナーではヒジをすっていた」とコメント。金曜日にトップタイムをマークしていた時点で“27秒台は、見えている”と語っていた大作だったが、最初にタイムアタックに入ったとき、第1セクションの区間タイムだけで、それまでのベストタイムより0.3秒も速かったという。単純に引き算しただけでも1分27秒台に入る計算だったのだ。
2番手に安田毅史が、やはりコースレコードを破るタイムでつけた。安田は、赤旗再開後に柳川明、伊藤真一の後方にうまくつけて、出したタイムだけに、決勝に向けては、まだに詰め切れていないと語る。逆に、3番手につける柳川は、事前テストから速さを見せており、大作を止める最右翼と言えるだろう。また、今回が復帰戦となる伊藤は、マシンのセットアップに悩んでいたが、決勝までに帳尻を合わせてきそうだ。4番手の徳留和樹もテストから好調な一人。そろそろ結果を出しておきたいところだ。
予選結果を見るとブリヂストン勢が上位を占める中、ミシュランを履く手島雄介が5番手に食い込む健闘を見せている。
レースは、大作、柳川、伊藤の3人に、安田や徳留、渡辺篤などが、どこまでついていけるか!? 韋駄天・秋吉耕佑のスーパーライディング、約10年振りのSUGOとなるノリックなど、見どころ盛りだくさんのレースになることは間違いない!! |